災害で中止危機 回避した好事例も
日本政府観光局(JNTO)は2月7日、2019年度の国際会議誘致・開催貢献賞として、誘致の部で3件、開催の部で6件の計9件を選出した。関係者の連携による誘致活動の成功事例、ユニークベニューや中小規模会議での優れた開催事例、自然災害に伴う中止の危機を乗り越えた開催事例などが選ばれている。
18年度に日本国内への誘致が決定した国際会議、18年度に日本国内で開催された国際会議が対象。要件は、民間企業以外の国内外の機関、団体が主催する会議で、参加者数50人以上、参加国数が3カ国以上。コンベンション有識者らの審査を経て決定した。
誘致の部の受賞会議の一つ「米国電気電子学会・国際磁気会議(INTERMAG2023)」は、23年5月15~19日に仙台市で開催されることが決まった。50~80カ国・地域から外国人500人を含む1500人が参加する予定。
INTERMAG2023の誘致では、地域、国、学術界が一体で誘致活動に取り組んだ結果、提案書が高く評価され、韓国の大田、豪州のシドニーに競り勝った。磁気分野の研究が盛んな東北大学が誘致段階から関わり、大規模な研究所視察を会議主催者に提案した。
開催の部の大規模会議部門(参加者千人以上)を受賞した「第5回国際組織工学・再生医療学会世界会議2018」は、18年9月4~7日、京都市で開かれた。52カ国・地域の約3700人(うち外国人約2千人)が参加した。普段は入場できない夜間の清水寺で特別イベントを行うなど日本ならではの体験を提供した。
開催の部の中小規模会議部門(参加者千人未満)を受賞した「吃音・クラタリング世界合同会議 in Japan 2018」は、18年7月13~17日に広島市で開かれ、48カ国・地域の606人(うち外国人203人)が参加した。開催直前に西日本豪雨(平成30年7月豪雨)が発生したが、交通手段などの最新情報をSNSなどで迅速、正確に提供することで、開催中止の危機を回避した。
同じく中小規模会議部門を受賞した「2018年IEEEシステム・マン・サイバネティクス国際会議」は、18年10月7~10日に宮崎市で開かれた。44カ国・地域の約814人(うち外国人541人)が参加した。宮崎県、会場のホテルのスタッフが誘致から開催まで緊密に連携して成功させた。
国際会議貢献賞の他の受賞会議は次の通り(会議名、開催時期、開催都市、参加国数・国内含む参加人数)。
【誘致の部】9th International Discussion Meeting on Relaxations in Complex Systems(21年7月、千葉市、20カ国・地域900人予定)▽第20回世界バラ会議福山大会2024(24年5月、広島県福山市、40カ国・地域700人予定)
【開催の部・大規模会議部門】第16回アジア太平洋地域ITSフォーラム福岡2018(18年5月、福岡市、20カ国・地域1066人)▽2018年第11回国際水協会(IWA)世界会議・展示会(18年9月、東京都、98カ国・地域9815人)
【開催の部・中小規模会議部門】アルカジア東京大会2018(18年9月、東京都、31カ国・地域856人)